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仕組みと作法の提案


花谷修一
市民のミカタへ
  • 情報交換の歴史
  • インターネット出現の歴史的意義
  • インターネットの情報の形態、思想、精神
  • インターネットメディアの弊害
  • 討議の情報交換の改善に向けてーー仕組みと作法の提案(XViewディスカッション)
 今日われわれが目にしているものがどのような軌道上あるかを知って初めて理解可能なものになる。
目の前のものは、つねに発展途上にあると考えるからである。
軌道の推進力は人々のアイデアである。かくありたいという理想からアイデアが生まれる。
しかし一旦アイデアが実現すると、最初の理想から離れて様々な問題を引き起こしながら勝手に成長していく。
当然、その問題を修正しようする力も働く。このようにして軌道が形作られていくものと理解している。

人々の情報交換(コミュニケーション)の方法もその一つに違いない。
情報交換の過去の軌道を辿ってみると、それが如何に社会・文化の発展の軌道とともにあったかがわかる。
20世期も後半になってインターネットという革新的アイデアが生まれた。
これもテクノロジーの発展の軌道からすれば起きるべくして起きたものではある。
これが生まれた背景には人々の情報交換(コミュニケーション)のあり方は、かくありたいという理想、精神、理念のようなものがあった。
それは「世界中の情報を、あまねく全ての人々が共有できるようにすれば民主的な社会が作れる。(オープンの思想)」というようなものだ。
しかし商用化されて人々の間に広く浸透すると様々な問題を引き起こしている。
情報の氾濫、フェイクニュース、フィルターバブルそしてプライバシーの問題だ。
これらの問題に対しても軌道修正しようとする動きがないわけではない。
とりわけプライバシーの問題に対してブロックチェーンの技術はその一つかもしれない。

私は、このインターネットの技術を無視するのではなく、当初の理想に立ち返り、その本質なるところを採用して良い一面だけを利用したいと考えている。
既存のSNS(FB、Twitter、Line・・)は究極の情報交換の手段のように見えるが様々な問題点も指摘されている。
これが今後、どのような軌道を描いて発展していくのかはフォローしていくにしても、とりあえずはインターネットの当初の理念を尊重したい。
討議を行う場合、ここに既存のSNSにはない仕組みをWeb(インターネット技術の一つ)上に構築し、情報交換する作法を遵守していただくことと合わせて少しでも理想の情報交換ができる場を提供したいと思う。
1
■情報交換の歴史
人類が「言葉」を手に入れて以来、物事の事象(情報)を「言葉」で表現するようになり、これを互いに交換することで社会や文化が発展してきた。
この交換媒体のことをここではメディアと呼ぶことにする。
人類の歴史を見るとその社会や文化の発展はこのメディアの発達とともにあったということができる。
最初は「声」だけがメディアであったろう。
そのうち「文字」が発明され、これを石や木簡に刻み始めた。
やがて「紙」が出現し「筆」ができて「文字」での表現が、よりたやすくなった。
当初「文字媒体」の多くは権力者が支配するための道具であったろう。
一部には人間が生きるための「よすが」を説く者も現れ、神のお告げと称して経典なるものが伝えられ一般庶民には教会や寺また辻々で偉い坊さんから説教という形で伝えられる。
ところが15世紀になってグーテンベルグの「印刷術」が発明されて以来、これらの「文字媒体」による情報、とりわけ思考・思想が一気に民衆に広がることで、宗教改革を経て近代社会が形成されてきたということはよく言われることだ。
そして様々な思想家が著作物として彼等の思想や知識・知恵を書き残し、後世の者がさらにそれを踏み台にして思考を深めていく。とりわけ科学技術の分野でこのサイクルが凄まじい発展を遂げ、現代にまで至る。
従って現代ではこれらの著作物を学ぶこと、学ばせること(教育)が重要とされ、さらに現代人がこの思考のサイクルを推し進めて行かねばならないとされる。
一方でこの著作物には「出版」という行為が伴い、結構なコストがかかる。大概の一般庶民は受け取るばかりで自らが出版して情報発信しようなどと思わない。
「つぶやき」や「戯れ言」程度のものはそのコストに見合わないからだ。
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2020/06/20    2020/06/22    花谷修一

一般庶民には特定の人に宛てる「手紙」という手段が提供される。この手紙を配達する仕組みを社会の基盤とし「郵便制度」が確立した。この郵便制度は20世記を生きた人にとっては非常にありがたい制度だと思っているに違いない。だから今も制度として残っている。また電子メールを使う人も「メール」という言葉で、この情報伝達の方法が頭の中で生きている。[id366#667]
2020/06/20    2020/06/20    花谷修一
2
■インターネットの出現
21世紀になってインターネットというメディアが私達の生活に深く浸透する。
メディアは「記録」と「伝達」の機能からなる。紙は記録媒体であるが印刷術は伝達媒体である。
インターネットはこの両方同時に革命をもたらした。
記録媒体に関しては人類は再び情報を石に刻み始めた。
おそらく石に刻む方が断然コストが安いと思われる。紙は森林という地球資源を使うのに対し多少の加工を施さなければならないにしても石という資源はおそらく無尽蔵にある。実際にこれをクラウドサービスする者は、15GB程度なら無料で提供している。今後は制限なしに無料になるだろう。このようにして皆んなが使い始めると巨大な情報のプールができ、とめどなく膨張する情報空間が形成される。
伝達媒体に関しては人類は「波」に情報を乗せることを思い付いて以来、理論的には瞬時にして情報を伝達できると考えた。理論に近づけるために今も様々な技術開発が行われているが現在においては、ほぼ「瞬時」が実現されたと言っても過言ではない。
しかし情報を物理媒体(磁性体や半導体、石と総称)に刻む技術、情報を波に乗せる技術(通信技術)が今に始まったわけではない。通信技術は19世紀末からあったし物理媒体に情報を刻んで、これを処理しようとする技術(コンピュータ技術)は戦後からあった。
インターネットは、このコンピュータ技術と通信技術を融合して基盤としたものであることに間違いないが、それだけではない。
情報の交換媒体として全く新しい思想と機能が持ち込まれ、それが故に良かれ悪しかれ社会に多大なる影響を及ぼし、これまでに人類が築いてきた情報交換(コミュニケーション)の歴史に新たなステージをもたらしたものと考えられる。
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2020/06/20    2020/06/23    花谷修一
3
■インターネットが扱う多様な情報の形態(マルチメディア)
一つには「情報」というものの本質に改めて考察が加えられ、様々な形態の「情報」を扱えるようになったことである。
言葉や文字だけが情報ではない。インターネットにとっては文字も色も音もみんな同じ情報である。文字の集合である文書コンテンツも色の集合であるイメージコンテンツ(静止画、写真)もそれを時間的に集合したビデオコンテンツ(動画)も、さらには音の集合である声、音楽コンテンツのみならずプログラムで構成されたサービスコンテンツも、元を正せばビットという情報の最小単位で構成されたものの集まりに過ぎず、それ故それらの記録や伝達については同じ技術でもって実現できる。我々は多様な表現手段を手に入れ、これを記録、伝達することができるようになった。
「文字情報だけが情報でない」こと。このことは私たちに大きな変革をもたらした。確かに写真や動画、音声で示す方が圧倒的に分かりやすい。
そしてこれらをリアルタイムで伝送することで例えばリアル動画を伝送することでオンライン会議ができるような時代になった。
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2020/06/20    2020/06/22    花谷修一
4
■インターネットの基本思想
二つには、このように生成された情報をどこにどのように配置して人間が必要なときに如何に素早く取り出せるようにするかである。
この問題を考えるとき、普通はどこか一箇所に集合的に配置して誰かが整理して管理すれば良いと考える。しかしインターネットではこのように考えない。
情報は世界中のネットワークのどこにあっても良いとする。また情報を管理する人間、情報を整理する人間など配置しない。むしろ恣意的、作為的に操作する人間を配置してはならないとする。このためには、情報にアドレスをふる。アドレスと言うと日本語では「住所」と訳され人間や場所に付与されているものと思いがちであるが、より広い概念として情報、資源(URI:Uniform Resouce Identifier)に付与されると言うのが本来的である。
このURI(一般的にはURL:UniformResouseLocator と呼ばれる。正確にはURIの狭い概念)さえ知ればそのコンテンツにアクセスできるし、逆にURIを付与して公開することで簡単に誰でもが情報発信することができる。
すなわちインターネットの基本思想は「分散(情報はどこに配置しても良いこと)」と「オープン(誰にでも開かれていて人の作為的恣意的介在を排除すること)」にある。
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2020/06/20    2020/06/22    花谷修一

WWWが出現した当初Yahooが一世を風靡した時代があった。インターネット上のあらゆる情報(WWW)をカテゴリ別に分けて大きなツリー構造で情報を整理したページがあった。それなりに便利なものではあったが作るのも大変だったろう。インターネットの初期であったからこのようなことができたのかも知れないが、時間がたつにつれ膨大なインターネット情報を人手で整理しようもなくなった。人が介在すると持続可能性が失われるのである。そこにGoogleがインターネットの検索機能を持ち込んだ。情報の整理、選択はユーザ側に委ねるべきなのである。GoogleがYahooを凌駕したことは言うまでもない。
2020/06/20    花谷修一

パソコン スマホを直接インターネットに繋いでいる人は少ない。大概はISP(InternetSeviceProvider)を介してインターネットサービスを受けている。だからと言ってインターネット上に情報を上げられないことはない。
一番簡単なのが 以下のような各社が提供しているクラウドサービスを利用することだ。
GoogleDrive
DropBox
OneDrive
iCloud
これらのフォルダに自分で作成したWord EXCEL PowerPoint PDF の資料を置いて共有し、そのUrlを公開すれば良い。
2020/06/20    2020/06/20    花谷修一
5
■メールとSNS
因みにメールアドレスというのがあるが、電子メールシステムはインターネットの技術の一つではあるが技術的に見れば極めて特殊で複雑なシステムである。
郵便と同じように発信側にポスト 郵便局があり受信側にも郵便局 ポストを設けなくてはならない。その上に同じ情報のコピーを受信側 送信側 中継点にも持つというコスト的にも実に不合理なシステムである。 添付ファイルにして送るという行為は技術的に見れば実に理に適わない行為である。しかし郵便制度に慣れた者にとっては、その直感的アナロジーから、このシステムを葬り去ることができない。
一方、若い人の間ではSNS(FB、Twitter、Line・・)でコミュニケーションを取るのが今や一般的になってきた。これらは原理的にはURIで指定したボード(掲示板)を互いに共有するというもので技術的には理に適ったものであり、いわゆるメール機能としての文書交換だけでなくチャット、リアルタイムの音声、ビデオ会話が容易に実現できる。
そして繋がりたい人を容易に探し出すことができる上に特に知り合いでなくても特定のグループや興味があるような人に向けて、誰もが極めて簡単に情報発信、情報拡散できる。
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2020/06/20    2020/06/20    花谷修一
6
■インターネットの精神とWWW
インターネットとは広義には以上の技術や思想をもとに確立されたTCP/IPという通信方式によるネットワークのことを言い、今日ではメールも電話もSNSもインターネットではあるが、一般にはWebサービスを指すことが多い。インターネットのネットワークには本来国境はないから、これをWWW(WorldWideWeb)と呼ぶ。これは世界中の人々が自由に発信し、そのようにして世界中に分散した彼等の情報を必要に応じて表示したいと言う要求に基づいて開発された。
これを最初に始めたのはCERN(欧州原子核研究機構)である。ここでインターネット通信のhttpやHTML言語が開発された。
彼等は個々の研究者の研究内容がそれぞれ何に基づいているか、また研究者間のそれぞれの研究がどのように関連づいているかを研究者間で互いに共有する必要があった。とりわけハイパーリンクは重要であった。著作物では原註、参考文献として末尾に掲げられるが、これがまどろこしい。
実はこのページもWebページである。読者にとってはCERNが初耳の人もいるに違いない。私もCERNの詳細を詳しく説明するつもりはない。だから私はここで上のようにこれをハイパーリンクするだけだ。読者はWWWの発祥の地がCERNであることを知るであろう。
インターネットの精神はWWWとして実現され以下のようにまとめることができる。
1。世界中の全ての人々が必要な手続きやコストをかけることなくアクセスできる情報空間を作ろう。
2。世界中の全ての人々が必要な手続きやコストをかけることなく情報発信できる情報空間を作ろう。
3。その情報空間を新たにはいつでもどこにでも作れるようして世界中繋げよう。
4。情報にアドレス(URI)を振ってそのアドレスでアクセスできるようにしよう。
5。情報間の繋がりが互いにわかるような表示手段を提供しよう。
しかしこの精神は商業化されるにつれ変容してくる。
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2020/06/22    2020/06/23    花谷修一

CERNでWWWを開発した ティム・バーナーズ=リーは、現在のインターネットの情報空間の状況を危惧して様々の提案をしている。
ティムの提案
2020/06/25    2020/06/25    花谷修一

ティム・バーナーズ=リーの現在の仕事がセマンティック・ウェブである。
RDFやオントロジーの技術によって情報空間にある情報が単にそこにあるだけでなく意味することの理解を助けてくれるというようなものだ。
オープンデータの世界では政府や自治体に究極のオープンデータフォーマットであるRDFで情報を公開するように推奨しているが、これが一般的になるのは先のことかもしれない。
しかし、仔細の情報でも市民・行政の間で価値ある情報交換がなされより民主的で効率の良い行政が実現できると考える。情報交換の軌道の先にあるものとして期待している。
2020/06/25    2020/06/25    花谷修一
7
■インターネットメディアの弊害
誰でもが容易に自由に情報発信できる。そして巨大な情報空間ができるが、その空間を管理したり整理したりする人間はいない。必要な情報は自分が勝手にその情報空間からとってきて自分で判断しなさい。情報発信する相手も自由に選んで良いし一般公開しても良い。自分の存在をどこまで知らしめるか、個人情報の範囲も自分で考えなさい。まさに自由な世界が出現した。しかもすべての人に開放されているから自由で民主的な空間が出現したとも言える。
しかしこのような情報空間を眺めていると、短文会話で何を話しているのかわからなかったり、吟味されていない文章が掲げられていたりする。
フィルターバブルと称し自分たちの都合の良い論理だけで盛り上がったり特定の個人を誹謗中傷する文章があったりする。
さらに罪深いことには、それらしい顔してフェークニュースだったり、悪意に満ちた行為を行う者さえいる。
一部権力者は、情報の拡散力を悪用し世論を誘導する。
全ては自由と引き換えに自己責任であると言う世界である。

もちろん素晴らしい情報を提供してくれる人もいるが混交玉石に付き合ってられないと思う人も少なくない。かく言う私もその情報の流れの圧倒的な量と速さに正直なところついていけない。
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2020/06/20    2020/06/22    花谷修一
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■討議の情報交換の改善に向けてーー仕組みと作法の提案(XViewディスカッション)
情報空間の中にあって、これらの様々な弊害を克服するためにはどのような仕組みを整えてどのように情報交換を行えば良いのだろうか?
ここに、その仕組みと作法について提案したい。
仕組みとしては、既存のSNSにはない以下の機能をWebページ上に実現したXViewディスカッションサイトを提案したい。尚、本ページもXViewディスカッションページの一つである。

既存のSNSは一時的なコミュニケーションのために具されることが多く、そうでないとしても議論が整理されていないページではその趣旨が不明瞭になり情報が流れてしまい、有用な情報提供があったとしても情報の海の中に埋没してしまう。
この問題を回避するために、ここではページを設定したホストに、ある程度の整理と管理、編集の権限を付与することにする。ホストは人に見せるためのページを作るだけでなく自身のメモとして本サイトを活用してもらっても良い。

意見投稿の作法として一主張一文節にまとめて短く投稿してもらうこととする。
これを単位としてホストは自由に組み合わせ並び変えてページを構成できるものとし、さらには他のページの意見投稿をも材料としてページを再構成できるものとする。
またその意見が何をベースに主張しているか、その根拠を示してもらうこととし 書籍等の著作物、インターネット上の他のサイト、自身の調査した資料、他のページ、XView分析等を参照して意見投稿してもらうことを原則とする。
ここでは参照する情報のUrlを指定すれば、イメージ画像とともに、その情報へのリンクを貼ることで主張の根拠に容易にアクセスできる。
加えてページのリード、意見投稿、コメントのいずれも容易にハイパーリンクを貼ることことができる機能を提供する。
読者は意見投稿の各々に批判、コメント、評価ができる。このようにして読者との情報交換を行う。またページ全体に対してはFBのコメントができる。


詳細は XViewディスカッションページの機能 参照(未)

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2020/06/22    2020/06/25    花谷修一

インターネット上の情報はその全てにアドレス(URI)がついている。その情報を集めて、自身の意見を付加して編集するのも一つの立派なコンテンツであると考える。XViewディスカッションページはこの思想のもとに作成した。
2020/06/23    花谷修一

情報をプッシュで伝える機能も重要である。メールはプッシュ手段として有効である。
XViewディスカッションページは現時点では 本ページに関連する人(意見投稿者、コメント投稿者、イベント参加者)宛のメーラを起動する機能を有する。
2020/06/23    2020/06/23    花谷修一

本ページを広く拡散させるためには既存のSNSに頼らざるを得ない。ここではFBのシェア機能をサポートする。
2020/06/23    花谷修一
9
■リアルタイムのコミュニケーションの重要性
言葉だけのコミュニケーションでは得てして誤解したり十分な理解が得られないまま終わりがちです。
やはり直接、話し合うことの重要性は何ごとにも代え難いものがあります。
また、初対面に人に対するコメントや知らないコミュニティの中で文書による投稿は勇気がいるものです。
まずは共通の関心のあるテーマに関してリアルタイムで話合う場を設けるべきです。
今日ではオンラインでこれを実現できる環境が整い距離や時間の制約を受けることなく実施できます。
ぜひXViewディスカッションサイトをこのような場で併用していただきますようお願いします。
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2020/06/22    花谷修一
資料の引用