童話「モモ」(下記3)で有名なミヒャエル・エンデが亡くなる前に取材したNHKの番組「エンデの遺言」(下記1、2)のサブタイトル「根源からお金を問うこと」を、ここでのテーマとして拝借しました。
エンデが亡くなって25年、この番組が放映されたのが1999年です。
エンデは「お金」というものに機能を盛り過ぎれば「モモ」における灰色の男が徘徊する世界になることへの警鐘を鳴らしたものと思われます。そしてその力を削ぐ試みが当時からあり番組では、そのいくつかが紹介されています。
一方で当時から新自由主義のもと行き過ぎた市場経済は留まることを知らず、それが故に世界経済は破滅的なリーマンショックを経験したにも関わらずエンデの危惧は一向に改善される気配がありません。
しかしながら、ここに来て「お金」の世界が変わりつつあリます。そのひとつの要因がいくら何でもこのまま放置できないという危機感の広がりであり、そしてもう一つがテクノロジーの進歩です。中でも「お金」というものが国家の権威を借りずとも成り立つという「ブロックチェーン」の技術はパラダイムシフトを起こす可能性を秘めています。またAIは「労働と対価」に対して根底からその概念を揺るがしそうです。
最近では「仮装通貨」「ビットコイン」「ブロックチェーン」「リブラ」「信用スコア」そして政策手段として「MMT」「公共貨幣」「ベーシックインカム」という言葉がマスコミ、インターネット上で喧しく、どうやら何らかの形でお金という世界が変わりつつあるようです。
本当にこれらの変化は私たちにとって好ましいものとなるでしょうか?
「お金」の仕組みがどう変わろうとも依然として「お金」は私たちの「生きる、働く、暮らす」の営みの基本的なよすがであることに変わりありません。
そこで改めてエンデの警鐘に耳を傾けつつ「根源からお金を問う」必要があるのではないでしょうか?
3つの重要な論点があると考えます。ここでは以下の論点に絞って皆んなで論じてみたいと考えます。
・個人の自由を重んじるべきか共同体の平等を重んじるべきか
・緊縮政策を採るべきか反緊縮政策を採るべきか
・テクノロジーに期待するかそうではないのか
意識調査アンケート(質問票)はこの視点に沿って作り皆様の考え方を問うものです。問1、2、3は上記のそれぞれに対応します。各々の設問に対するご意見があれば是非、それぞれの「解説と討議」ページにコメントください。
この時に出来るだけ専門用語を使わずに平易な言葉でお願いします。ただしここで議論する上での共通認識として以下の事実は踏まえたものとします。
・「お金」の発行の事実 信用創造 問4
・事業や組織の健全性を測るバランスシート 問5
・国力を測る一つの指標としてGDP、対外純資産の実態 問6、7
十分な認識がない方も質問票の回答後の「解説と討議」でそれぞれの内容をご確認ください。
日々報道されるマスコミやインターネット上の論説を市民の目線(市民のミカタ)で検証したいと思います。各種情報(データ、書籍、インターネット上の論説)を提示の上自身のご意見を投稿、コメントください。
第一部 壮大なるフィクション(虚構) 「お金」 下記5
第二部 台頭する「お金」の政策について 下記6
第三部 新しいテクノロジーは私たちにとって好ましいものになるのか? 下記7